漆の成分、及び、良し悪し について

よく 日本産の漆は良質だと言われますが、その根拠について説明させていただきます。
漆はウルシオールという成分を含んでおり、その含有量が多いほど固化しやすくなっています。ウルシオールの含有量が日本以外の東南アジアのものと較べて日本産が多いために、日本産の漆が良質だと言えるのです。
しかしながら、漆の木が育つには少なくとも10年以上の歳月を要し、また、漆を採取した後は伐採するしか方法がないため、日本産の漆は大変高価になっており、高価な漆器でも日本産と海外産を混ぜて使用することが多いです。
中国やベトナムなどの漆は固化する力が弱いため、完成後の「漆風呂」での乾燥が重要になります。ご存じの方も多いと思いますが、漆は湿気によって固化します。そのため、湿気を含む漆風呂というものでの乾燥作業が重要になってきます。